ひよこもちの「人生ぽくぽく歩く日々」

都会で忙殺されながらもスローな人生に憧れる、リアルアラサー女子の雑記帳

【愛犬】ストレス?摂食困難に隠れた「本当の病気」

2年ほど前、ミニチュアピンシャーのもち犬(兄)が珍しい疾患を発症しました。

かかりつけ医では診られないとのとのことで、大きな高度医療センターで下された診断名は「咀嚼筋炎」。

ド-ベルマンやレトリーバーなどの大型犬には多い疾患のようですが、ひよこもちは初耳でした。

今回はこの咀嚼筋炎についてと、発症当時の状態や治療、その経過について書いてみたいと思います。

 


①聞きなれない病名「咀嚼筋炎」とは

咀嚼筋炎とは、大型犬に多く発生する限局性の免疫介在性炎症性筋疾患です。

顔周りの筋肉には手足の筋肉にはない固有の筋繊維が存在しているそうで、何らかの要因で発生した自己抗体が症状を引き起こす「免疫疾患」とされています。

原因は解明されておらず、まだまだ情報の少ない疾患です。

 

急性期、慢性期と進行するようですが、もち犬は症状が出始めてからあっという間だったように思います。

どんな病気なのか、次に初期症状などをまとめてみます。

 


②早期発見が大切「急性期症状と慢性期症状」

もち犬(兄)はこの頃すでに、日中預かりとしつけをしてくれる「いぬの幼稚園」に通っていました。

ある日、トレーナーの方が、今日はちょっと顔が腫れていたと教えてくれました。

ただ当の本人はというと元気もりもりで、食欲もあるし遊びにも夢中でいつも通り。

予兆は本当に、ほんの少し顔が腫れている時があったというそれだけでした。

 

その後、次第にフードの食べ方が変わってきました。

いつもはがっついて食べるもち犬ですが、なぜか前歯だけでちょっとずつ齧るというか、へつるように。

フードだけじゃなく、おやつを与えても同じ。

大きく口を開けて食べたり水を飲んだりすることがなくなりました。

 

そして次は、声が出づらくなります。

厳密には声は出ているのですが、こもっているというか、ハリのない苦しそうな声でした。

ミニピンは他人に警戒心が強く、他人が急に近づいて来たりインターホンが鳴ったりするとよく吠えるのですが、やっぱり変な吠え方をします。

欠伸も口を開かず、噛みしめるような欠伸をします。

いぬの幼稚園からも、預かり中に電話がきて「いつものような声が出ていない」と急ぎの報告を受けました。

 

この2症状が、咀嚼筋炎の急性期症状である「開口困難」「摂食困難」でした。

犬は言葉で伝えてくれないのでわかりませんが、きっと痛みもあったのかなぁと思います。

 

そして、慢性期に現れる症状として、「筋肉の萎縮」が出て来ます。
もち犬は、こめかみのあたりが陥没しました。

筋萎縮によって顔が変形し、酷いと眼球陥没なども起こる可能性があるそうです。

 


③高度医療による「検査・診断・治療」

摂食困難と鳴き声の異変が出たことで、すぐに地域の動物病院に行きました。

症状を伝えると、獣医師は観察・触診し「これは大きな病院で見てもらった方が良いと思うので、紹介状を書きましょう」と。

最短の日程で予約を取って高度医療センターに行き、問診後は画像診断と血液検査をしました。

 

犬の画像診断は挿管して麻酔をかけて行うそうですが、口が開かないためもしかしたら別の方法になるかもと獣医師。

色々説明してくれますが、素人にはあまりよくわからず、安全な方法であれば全てお任せしますと頼むことしかできませんでした。

 

この時まだ咀嚼筋炎なんて病名すら知らないひよこもちは、最悪のケースを脳裏に思い浮かべていました。

急激に悪化したことで動揺もあり、「悪性腫瘍」「進行性筋疾患(筋ジスなど)」なんかの、生命予後に関わるような病名がちらついていました。

 

検査の結果、腫瘍の可能性はないということがわかり、しばしの安堵。

そして獣医師は、「小型犬なので詳細な免疫検査をしないとわからないですが」との前置きと共に、「咀嚼筋炎の可能性」を示唆しました。

免疫検査は結果が出るまでかなり日数がかかるようで、結果を待たずに一旦見立てで治療を始めましょうとのこと。

 

治療とは主に、免疫抑制剤ステロイド)の服用です。

いらぬ免疫反応でできた抗体が症状を引き起こしているため、ステロイドでその反応を抑ることができるんだとか。

ただ、この高度医療センターはあくまで「鑑別診断のための専門医療機関」であり、治療をしてくれる病院ではありません。

なので、かかりつけ医に再度診断書と共に帰るかたちで、地域の動物病院にて処方と経過観察をしてもらうことになりました。

 


④その後の回復「予後」

高度医療センターの検査当日は、麻酔の効果もあってかとてもおとなしく心配になるほどでした。

ですが、翌日からはいつもの元気なもち犬で、口は開かないもののテンションはいつも通り。

そして、ステロイドを服用し始めて数日が経って、徐々に食事がしっかり食べられるようになりました。

1週間経つ頃には鳴き声もかつてのように張りが出てきて、欠伸もできるようになりました。

回復は順調です。

 

咀嚼筋炎は、状態によってはステロイドを飲み続けないといけないケースもあるようですが、もち犬は少しずつ減薬し、翌月頃にはもう飲まずに過ごせるようになりました。

薬を減らすことで再発もあり得ると聞いてそわそわしていましたが、服薬をやめて2年以上経つ今でも再発はしていません。

 

ただ、一つだけ残った後遺症がありました。

それが、顔面の陥没です。

写真ではわかりにくいですが、目と耳の間の部分がぐっと凹んで硬くなっています。

一度委縮しきった筋肉は戻らず、開口障害や摂食困難が治った後も、凹んだ部分はそのままです。

でも、命には何の影響もなく寛解しているので、せっかくのイケメンがちょっと崩れたなーなんて笑い話にできるくらいのことですね^^

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⑤病気になって学んだこと

動物と一緒に暮らす中で健康を保つということは、本当に大変なことです。

犬でも猫でもハムスターでも、相手は人の言葉を話しません。

痛くてもしんどくても言ってくれるわけではないので、飼い主がいかに気づけるかにかかってきます。

 

「咀嚼筋炎」という聞きなれない病気を治すことができたのは、早期に気付き通院できたことに尽きます。

いぬの幼稚園でトレーナーの方が顔や声の異変に気付いてくださり、地域のかかりつけ医がすぐに高度医療センターに繋いでくださり、高度医療センターでは最速の判断で治療方針を決めてくださいました。

だからこそ、ステロイドを長期服用することもなく寛解できたのだと思います。

 

そして飼い主としての今回の教訓がもう一つ・・・声を大にして言います。

ペット保険はしっかり確認して入るべし。

今回の画像診断、血液検査、薬代など全て含めると、約十万円ほどかかりました。

ペット保険が適応されての、この額です。

もしペット保険に入っていなかったらと思うと・・恐ろしいですね^^;

 

また、保険の種類にもよりますが、一日の上限額が決まっているということをこの時改めて認識しました。

もち犬は高度医療センターにて一気に検査をしたので、上限支給額を余裕で突破してしまい、その分は自己負担になりました。

もちろん、愛犬の命には代えられないので多少高額でも検査はしますが、経済事情によっては検査を2日に分けるとか、そういった工夫もあったと思います。

 

その辺、ちゃんと把握しておかないとダメですね。

勉強になりました。

 


というわけで、今回は原因不明の摂食困難に潜んでいた本当の理由について書いてみました。

大切な愛犬との生活、健康が一番ですからね。

少しでも参考になれば幸いです。